#オリジナル企画

【東京街散歩】 豊島区庁舎屋上庭園

池袋サンシャインシティ南側に位置する「としまエコミューゼタウン」は、官民協働の法定市街地再開発による、豊島区庁舎と共同住宅からなる複合施設。随所に環境への配慮がなされているこの施設の屋上には、緑豊かな空間が広がっています。

「一本の巨大な樹木のような建築をめざした」という建築は隈研吾氏のデザイン。木造住宅密集地と小学校跡地を利用し、およそ10年のプロジェクトを経て2015年に竣工しました。庁舎棟の外壁は緑化パネル、太陽電池、再生木ルーバー、ガラスなど複数の素材からなるユニット化されたパネルで構成された環境被膜「エコヴェール」で覆われています。市庁舎棟の吹き抜け(エコヴォイド)は、自然換気を促進する環境配慮への工夫のひとつです。

豊島の森

庁舎棟の屋上庭園「豊島の森」は、かつて区内に存在した雑木林の植生とを再現したもので、雨水を利用したビオトープでは荒川水系に生息する水生生物が放たれています。階下のグリーンテラスを含めて垂直庭園「エコミューゼ」と名付けられており、地域住民の憩いの場としてだけでなく、豊島区の植生や生態など自然のしくみを学ぶことができる場でもあります。

庁舎棟10階のエレベーターを降りると、サンルームのような空間に地域にちなんだアート作品が並び、そこから自動ドアを抜けると一気に視界が開けて空と緑が目に飛び込んできます。

園内には荒川水系を再現する大きな水槽があるほか、豊島区の植生や生態、武蔵野台地の自然環境などの解説パネルが点在。小学生が自然観察を行う場としての役割も担っています。

グリーンテラス

庁舎の4階、6階、8階フロア南側には、外階段でつながるグリーンテラスがあります。「豊島の森」に降った雨水は小川となり、各フロアを通って地下ピットまで自然流下、そこで浄化され循環。建築の外壁と一体となった<環境配慮型ランドスケープ>として注目されています。

全国15都市から寄贈された植物が植えられている「交流都市の杜」、荒川水系各地域の植生を再現したビオトープなど、様々な風景をみることができます。

池袋地区の再開発工事や高速道路の喧騒が絶え間なく聞こえる環境の中ですが、驚くほど豊かな緑があり、無機質な建築素材も不思議と冷たさを感じません。様々な水辺の景色があり、鬱蒼とした林もあり、屋上だからこそ感じられる空や風もある。緑に囲まれながら10階から4階までフロアを移っていく中で、街を見下ろす目線も変化していく。ここまで大きな垂直移動による景色の変化は、他の公園・庭園ではなかなか味わうことができません。

様々な魅力が詰まっていて、散歩を楽しむことができ学びもある、とても贅沢な場所です。

広報デジタル委員 広瀬絵美/㈱ムラヤマ

<参考>
豊島区
https://www.city.toshima.lg.jp/chosha/10f.html
(一社) 日本建設業連合会
https://www.nikkenren.com/kenchiku/bcs/detail.html?ci=928

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